eN arts

卓上の静物

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大島成己 個展 「卓上の静物」

2019年9月20日(金)—10月13日(日)
会期中 金・土・日 12:00-18:00 開廊
オープニングレセプション:9月20日(金)18:00-20:00
NUIT BLANCHE 2019:10月5日(土)12:00-21:00
アポイントメント 承ります

ご協力 : Yumiko Chiba Associates

eN arts では 2019年9月20日より、大島成己(1963生)による個展「卓上の静物」を開催致します。2003年ロッテルダム国際建築ビエンナーレや2004年第9回ヴェネツィア・ビエンナーレのフォトグラフィ・セクションにおいて作品を発表。国際的に活躍しているアーティストです。現在は多摩美術大学で教鞭をとりながら、主に東京にて制作を続けております。代表的な作品には「layer colored」 「scene, light, color」 「reflections」 「haptic green」などのシリーズがあります。特徴的なのは、写真作品内に遠近二つの距離感を混在させて空間認識を揺るがし、鑑賞者にかつて感じたことのない視覚体験をもたらすということ。(各シリーズの詳細はこちらをご参照下さい。http://www.naruki-oshima.org/top.htm

京都に学び、卒業後は京都にて教鞭をとる という京都にゆかりの深い大島ですが、京都における初個展となる本展では、新シリーズ「The Neutral : Still Life on a Table」より新作12点を発表致します。

慌ただしく過ぎてゆく日常生活での「見る」という世界から私たちを解放し、研ぎ澄まされた視覚と感覚で「視る」ことにより、外の世界との鑑賞者の新しい関係を構築してゆく大島作品・・・その不思議な感覚をお楽しみいただければ幸いです。

毎年恒例となりました京都市とアンスティチュ・フランセ関西が開催する ニュイブランシュKYOTO に 今年も参加致します。10月5日 土曜日は通常より長く 21:00まで開廊しております。秋の夜長を eN arts でお楽しみ下さい。
http://www.nuitblanche.jp

Naomi Rowe|eN arts

 

『The Neutral : Still Life on a Table』シリーズについて

大島成己

装置としての写真は、単眼のレンズで捉えられた対象世界をスクリーンに投影し、それを定着する。つまり、一つの視点を基点にして対象に向けられた視界の四角錐を切断した面がスクリーンであり、それが絵画となり、写真となってきた。そしてこの装置において世界は表象化され、私たちの認識に大きく関わってきたわけだが、私はこうしたあり方に限界と息苦しさを感じ、そこから解放されるために写真装置のあり方を問い続けてきた。それが私の実践となってきたのである。

その実践のこれまでの例としては、ガラスファサードの反射を被写体にした写真イメージを複数のレイヤーに切り分け(=スクリーンの多重化)、空間を錯綜させることで一元的なスクリーンに揺らぎをもたらしたり、あるいは対象の一部をズームアップした数百枚の写真を一枚に統合し(視点の多数化)、遠近の距離感を混在させることで、単眼によるパースペクティブを壊乱させようとしてきた。

今回の新シリーズ『The Neutral : Still Life on a Table』では、後者の複数のショットを統合するスティッチングの技法で制作されている。この技法を応用すれば、様々な箇所にピントを設定することができるので、複数に設定された焦点をレイヤー面として現出させ、四角錐の切断面を卓上の風景に表し、客体化させようとしている。つまり単眼による安定的な空間から離れて、複数の焦点によって生じるレイヤー面とそれ以外の暈けた空間域の間に<界面>を生じさせることにより、安定的な写真空間に揺らぎをもたらそうとしている。そこにおいては、卓上の静物たちは、意味特定されがたい物へと変容し、触覚感、色彩、形の生々しさとして現れてくるだろう。ざらざらとした、つるっとした、ぬめっとした<表面>、物の属性としての固有色から離れて気体、あるいは非物質化した<色彩>、量感を失い陰影化した<形>などなど、抽象的な現象として静物たちは現れてくる。意味文脈から離れて、なにかに特定されがたい<ニュートラルな状態>として物の有り様を提示すること、それが今回の新シリーズの狙いとなっている。

*Press Release
*CV