SENSE OF TOUCH 2020
伊庭 靖子 個展
2020年11月1日(日)- 11月29日(日)
会期中 金・土・日 12:00-18:00
アポイントメント承ります
ご協力:ギャラリーノマル
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2020年11月、eN artsは 2008年に開催した伊庭靖子個展「SENSE OF TOUCH」から12年ぶりとなる「SENSE OF TOUCH 2020」を開催致します。
大学において版画を専攻した伊庭は、卒業後、版画から徐々に絵画へと移行し、自身が撮影した写真を元に油画の制作を続けています。私が伊庭作品と初めて向き合った時、そのペインティングは視覚を通して、触覚や嗅覚をも刺激し、そこに描かれたモノの存在感や空気感までをも感受するに至りました。そしてそこで得た感覚は私を幼い頃の記憶へと誘(いざな)ったのです。一枚の絵が 光や影を含むモチーフを写実的に表現するにとどまらず、鑑賞者の身体的・精神的な深みにまで触れてくる、という実体験に衝撃を受け その場に立ちつくしました。本展では次なるステップへのチャレンジを垣間見る事ができる伊庭の最新作を披露致します。
チャレンジと言えば・・・伊庭は2019年に東京都美術館で開催された個展「まなざしのあわい」にて映像に初挑戦しました。美術手帖とのインタビューで「映像は光の束。像が結ばれて光の量が感じられ、そこには光と質感が直接結びつく場所があるような気がした。」「映像につきものの時間の流れやストーリー性のない質感と光が結びつきそれだけが感じられるステレオグラムという本作品につながった。」と述べ、これまで版画や絵画にて表現してきたのと同様に、光や質感をステレオグラムという映像で表現したと語っています。本展では、eN arts地下のブラックキューブにて伊庭の新作映像もご紹介致します。是非 ご高覧下さい。
ロウ 直美 | eN arts
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目の前の光景を何らかの質に置き換えることができるのか、ということにこだわってみたい。
それは視覚経験において、目の前の物やパースペクティブを認識することよりも、何らかの質を体感している状態が優位に立っているということ。例えば花器の入ったガラスケースは、ガラス戸に映るカーテンやケースの奥も含めて一つの空間として意識するが、どこか1カ所に焦点が合っているうちは空間の質を体感することはできない。それよりもどこでもない場所に焦点を移し全体をぼんやりと眺めながら、焦点を合わせず個々を見ていく(意識する)ようなことをしていると、空間の質を体感しているように感じる。ぼんやりとした中を移動する目や意識は、さまざまな要素を拾い上げ、それらの差異や統合が何らかの質を生み出しているのかも知れない。このようなことをキャンバス上で構成したいと思う。画面上では写真的な描写によるモチーフがその空間に存在感を示すが、それに対する要素(線や色など)を置くことでその存在感を中和したい。そしてその空間はモチーフの存在からズレたところで、何らかの質に置き換えられるかも知れない。
伊庭 靖子
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-出展作品-
-展示風景-
伊庭靖子個展「SENSE OF TOUCH」2008 @ eN arts