eN arts

夢と現

田中真吾個展

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夢と現
田中真吾 個展

2009年2月1日(金) – 2月28日(金)
会期中 金・土・日 12:00 – 18:00 開廊
オープニングレセプション : 2月1日(金) 18:00 – 20:00
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2009年 eN artsは田中真吾個展「夢と現」でスタート致します。
1983年生まれの田中真吾は一貫して「火」をテーマに多種メディアを駆使して表現する作家です。
本展「夢と現」では、写真2点、立体2点、半立体1点、平面8点をご紹介いたします。
人間とその他の動物を大きく分つもの、それは「道具の使用」です。人間は道具を使用することにより、自分たちの都合に合わせて「火」をおこすことを可能にしました。「火」は古代より、人を惹き付け、気分を高揚させるものでした。しかし、それと同時に、我々は恐怖心をかき立てるという恐るべき現象でもあるのです。
田中真吾は、燃焼という単純かつ素朴な現象が、炎を見つめる私たちに、複雑多岐にわたる心象を抱かせるという事実に、ありとあらゆるアングルから取り組みます。写真作品では、燃える炎と向き合い、立体作品においては、幾重にも重ねられた紙を実際に燃やし、その痕跡を残す。田中真吾の作品群は「火」とその火を取り囲む環境、そして姿・形を変えながらも普遍性を持つ「燃焼」という現象を捉えつつ、そこに我々人間と人の関係性を表現します。

夢と現
by 田中真吾

例えば、目の前にある紙を燃やしてみる。
光を放ちながら立ち上った火は、周りの空気を取り込みながら、ゆっくりと静かに、紙を灰に変えてゆく。
その光景は、度々火から連想される「破壊」や「創造」といった言葉を当てはめるにはあまりに素朴で、見る者の目を惹きながら、ただ純粋に燃焼する現象として目の前をゆれる。

火を使用したことが、ヒトをして他の動物との違いを決定づけた一つの要因だとすれば、何故、原始のヒトは火をコントロールすることを思いついたのだろうか?きっと外的から身を守る手段とは別に、燃え上がる火の姿に魅了された側面があるのではないかと想像してみる。

彼らに「美しい」という感覚があったかは分からない。

しかし、素朴に燃える火は原始からの変化を感じさせず、それを見つめる私達もまた、相変わらずそのゆらめきに惹き付けられたままである。

私達は何故、火に魅せられるのだろう。漠然とそんなことを考えつつ、私は火と向かい合う。時には取り込まれそうになりながら、時には距離を置きながら・・・

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