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Expect The Unexpected

田中真吾個展

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Expect The Unexpected
田中 真吾 個展

2017年9月1日(金)—9月30日(土)
会期中 金・土・日 12:00-18:00 開廊
オープニングレセプション:9月1日(金)18:00-20:00
NUIT BLANCHE 2017:10月6日(金)15:00-21:00
アポイントメント 承ります

田中真吾は1983年大阪府生まれ。京都精華大学大学院芸術研究科修了。在学中より一貫して「火」を題材に、「火」を材料・道具・手段として駆使しながら、様々な角度から「火」を表現する作家で、「焼く」「溶かす」という意志が関与する人為的な行為と「燃える」「溶ける」という人がコントロールできない現象の狭間を往き来しながら制作を続けています。

田中の作品シリーズは 「trans」 からスタートしました 「trans」 は、何層にも重ねて作っておいた紙をシンプルに「焼く」ことにより、紙は表層から順に燃え上がり、やがては炭や灰と化し、想像をはるかに超える美しい造形物(作品)を生み出しました。 「trans」 シリーズから 「overlap」「HEAT」「ゆらぎの界面性」 といくつかのシリーズを経て 「re: trans」シリーズが誕生しました。このシリーズでは 廃材や端材など異素材を組み合わせ「焼く」という行為を施すことにより、燃焼現象そのものを作品とするのではなく、異素材と燃焼のレイヤーにより作品に奥行きが生まれました。

その他 trace、rise、ephemeral、meltransの各シリーズにて、「火」という一つの題材をもってこれほどの表現方法があるものかと驚くほど、田中はクリエイティブな作品を創出して参りました。(田中真吾作品全シリーズの詳細は別紙をご参照下さい。)

そして 今回 eN artsにて8度目の個展となる本展「Expect The Unexpected」で 田中は更なる展開を遂げた新シリーズ 「warp」 を発表します。「warp」では、鉄板を同一条件(例えば「等間隔に設定された箇所に5秒間バーナーをあてる」)を保ちながら「焼く」行為を繰り返していきます。制作過程において、田中自身の意図が、既存のシリーズよりさらに大きな比重を占めているにも関わらず、彼の企ては、火が「燃える」際に起こる自然現象によって、拒まれ、うねる鉄板のように歪められます。しかしそこにはある程度予想していた火の裏切りと、全く予期していなかった加熱現象との「アンバランスの妙」が生まれるのです。

125,000年前から人類が日常的に利用していたと考えられている「火」は人類最大の発明として様々な利益をもたらして来ました。その反面、火災・武器など我々人類にもたらす害とも成り得る「火」。田中真吾の作品を通して私たちの生活の中に当たり前に存在する「火」を見つめ直してみませんか?

ロウ 直美 | eN arts

シンプルな作業の積み重ねから起き上がってくるもの。
その中で生まれる起伏と陰影。そして有機的な形状へと歪められた物質。
必然とも偶然とも取り得る結果は、境界が曖昧であるほど、見る者の想像力に働きかけてくるように思う。

意図を過剰に持ち込まないように。
しかし全てを現象へ委ねてしまわないように。
その狭間に身を置くことが、私を次の思索へと繋げていく。

きっと、「こうしたかった」と「こうなってしまった」の間にある豊かなグラデーションにこそ、私とあなたが共有できる視座の可能性が潜んでいるのではないだろうか。

田中 真吾

*PRESS RELEASE
*CV
*田中真吾作品全シリーズ詳細

-出展作品-

-展示風景-