meltrans
田中 真吾 個展
2016年3月4日(金) – 3月27日(日)
会期中 金・土・日 12:00 – 18:00 開廊
オープニングレセプション : 3月4日(金) 18:00 – 20:00
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一貫して火をテーマに制作を続ける田中真吾。田中は大学在学中から「火とはなんぞや」を追究しつつ、様々なメディア+火・炎 を駆使し、立体・絵画・写真などにて表現してきました。
近年 田中が使用し始めたのがビニル。それまで多用していた紙や木は、燃焼することにより燃え尽き、灰や炭と化します。そして、ビニルは加熱により溶け、本体が激しく変形する。誰もが知る単純な化学変化ですが、田中はそれらの変化を巧みに操り、美しい作品を創出します。
火をもって燃えるもの(紙)、燃えないもの(アルミニウム)、変形するもの(ビニル)、変化しないもの(金網)等を組み合わせた今回の新作群は、火のなし得る事象を、今まで以上に明確に表現し、これらの素材を日常的に使用している我々人間と火との関係性にまで言及しているかのようです。田中が更に一歩「火」に近づいた個展「meltrans」を御高覧下さい。
ロウ 直美 | eN arts
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何枚ものフィルムやビニルを重ねては燃やすことを繰り返す。熱を与えられた物質は収縮し、捻じれながら変形していく。そして、ある臨界点を超えた瞬間に融解が始まり、液状化が起こる。液状となったビニルは、それまで積み重ねてきた層を1へと還元しながら画面から滴り落ちていく。
展覧会タイトルである『meltrans』とは、「melt(融解)」と接頭語である「trans(別の状態へ)」を組み合わせた造語である。
積層されたビニルは、火によってmeltdownを引き起こす。石油製品である彼らは灰を残さない。ジャック・デリダが『火ここになき灰』で考察したように、「そこに灰があること」が見る者に火を想起させるのだとすれば、火によって液状となり、最終的には気体へと還っていくこの近代を象徴する物質は、私たちにどのような記憶をもたらすのだろうか。
田中 真吾
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-出展作品-
-展示風景-