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showcase #13 “ひとの気配 – Human signs” curated by minoru shimizu

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showcase #13 “ひとの気配 – Human signs
curated by minoru shimizu

宮下 五郎 | 山崎 雄策

2025年4月11日(金)—5月11日(日)
会期中 金・土・日 12:00 – 18:00 開廊
アポイントメント 承ります

KG + 2025参加

→過去のshowcase展はこちらからご覧いただけます。

showcase #13 curated by Minoru Shimizu

ひとの気配

ここ数年来、showcaseは、初登場の新人と、過去に登場した作家の2人展という形を取っている。二人の作家を選ぶ際に、とくに共通のコンセプトとか相性というものは考えない。むしろ二人の写真家を組み合わせることで、コンセプトはあとからあぶり出されてくる。あるコンセプトをいかに表現するかにおいて、二人の写真家が相補的であることもあれば、対照的であることもある。

宮下五郎は、2017年にキヤノン写真新世紀佳作(清水穣選)を受賞して注目された。今回は、「目は口ほどにものを言い」とか「ふと視線を感じる」とか言うときの「眼」であり、宮下はそれを文字通り被写体とする。撮影された眼はカメラ目線ではなく、その瞳が開いているので、暗がりにいる被写体の眼にピンポイントで光を当てて撮影していることがわかる。つまり、これらは口ほどに物を言う眼、視線を向ける眼を、観察した写真なのである。機械としての写真の力が存分に発揮される。無言の雄弁さを奪われ、何を見ているわけでもない、ただの即物的な眼が並んでいる。

山崎雄策は、ちょうど10年前、2015年のshowcase #4にも登場してもらった。2013年キヤノン写真新世紀佳作(清水穣選)で注目され、翌年には優秀賞を獲得した。今回は、デビュー作「さい子」シリーズのリニューアル&リミックスバージョンとのことである。ヒッチコック監督の「サイコ」に掛けた「さい子」は、写真が好んで生み出す、目に見えないもの(とりわけ人間)の気配、痕跡、視線を主題として、前兆と痕跡、未来と過去をめぐるそのレトリックを、写真によって問い続けている。

2025年4月、清水 穣

 

宮下 五郎 | Goro Miyashita

 05_Goro Miyashita_ BLIND OFFICE WORKER #05_@Goro Miyashita= EYES TALK

EYES TALK

眼は、嘘が苦手だ。
眼は、無防備で、正直だ。
他人に自分の内面を悟られたくないという心理とは逆に、
どれほど隠そうとしても、眼は、人間の心をありのままに映し出す。
喜び、悲しみ、怒り、驚き。
愛、憎しみ、妬み。
孤独、嫌悪、困惑、焦燥、恐怖。
人間のありとあらゆる複雑な感情は、二つの眼球に精密に映し出される。

写真を撮るという行為が、人間の本質を炙り出すものだとしたら、
究極のポートレートとは、人間の眼である。
人間を人間たらしめる究極の臓器。それは、むきだしの眼をおいて他にない。
年齢・ジェンダー・職業・障害・国籍。
そのすべての境界を乗り越えて、写真家、宮下五郎が、
多様な108人の眼のポートレート撮影に挑んだ。

*宮下 五郎 CV

山崎 雄策 | Yusaku Yamazaki

04_YusakuYAMAZAKI_SAIKO#05©YUSAKUYAMAZAKI=SAIKO

女子高生が77日ぶり発見、「神隠し」騒動の謎深まる

「2013年7月11日から行方不明だった千葉県茂原市の女子高生(17)が、9月26日に自宅近くの神社の社で発見された。衰弱し体重は半分に減少、軽い脱水症状を示すが怪我はなし。本人は社に隠れ、畑の野菜を食べていたと説明。しかし、過酷な環境で77日間過ごせたのか、発見の遅れや証言に矛盾があることから、ネットでは「神隠し」の噂が広まり、真相は未だ解明されていない。」

 

*山崎 雄策 CV