「そこで、そこでない場所を」
今村 遼佑 個展
2018年11月2日(金)- 11月30日(金)
会期中 金・土・日 12:00-18:00
オープニングレセプション:11月2日(金)18:00-20:00
アポイントメント承ります
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eN artsでは11月2日より、今村遼佑個展 「そこで、そこでない場所を」 を開催致します。
今村氏は1982年京都生まれ。2007年 京都市立芸術大学大学院美術研究科修士課程彫刻専攻修了。2011年第5回 shiseido art egg 賞を受賞。2016年より ポーラ美術振興財団在外研修員としてワルシャワに一年間滞在。今村氏は日常何気なく目にする物 – 紙屑、紐、小石、本、ポリバケツ、時計、イヤホン、iPhoneやiPod 等々- を自由自在に使い、個体同士、個体と場所 の絶妙な関係性や距離感を保ちながら制作し国内外で発表しています。今村氏の展覧会では、知らず知らずの間に五感を研ぎ澄まし、普段気にも留めない ささいな音・香り・感触・見え方 などに集中している自分自身に気づき、彼の繊細な作品が知覚に大胆に訴えかけます。そして日々時間に追われながら暮らしている我々は、生まれもった細やかな感覚をいかに蔑ろに生きているのかということに「はっ」とさせられるのです。本展では、そうしたご自分に対する嬉しい驚きを、今村氏の作品やインスタレーションと共にお楽しみ下さい。
ロウ 直美 | eN arts
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「そこで、そこでない場所を」
つい最近お盆を過ぎたぐらいに思っていたら、あっという間に肌寒くなり金木犀の匂いも漂うようになって、そのことに少々びっくりしながら、いつからだろうか、いつも季節に少し取り残されているような気分を感じている。半年以上も前に借りはじめたアトリエをようやく少し改装して使いやすくしようと手を動かしはじめたのにすぐに展覧会前になり、そんなことをしている暇もなくなってしまって、いそいそと取り出したアイデアメモの過去のページを眺めながら、同時に、書いた時のやや遠い記憶もぼんやりと思い出していた。今回、例えば外国の街で霧に包まれたことや、気に入って使っていた画材がずいぶん昔に生産終了していたことを知ったこと、その他いくつかの出来事を元に何かを作ろうとしているのだが、その何かと出来事、作家の意図、観る人の受け取るものとの間にはそれぞれ何かしらの距離があって、意識上の季節と実際とを忘れた頃に結びつける気温の変化や花の匂いのように、ある特定の場所に置かれるその何かを目の前にしながら、どうやれば、それぞれの場所を繋げていくことができるのかを考えている。
今村 遼佑
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-展示風景-