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STRIDES by strokes

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田中 真吾 個展「STRIDES by strokes」

2023年7月1日(土)- 7月30日(日)
会期中 金・土・日 12:00-18:00
アポイントメント承ります
入場無料

2023年7月 eN artsでは 田中真吾個展 「STRIDES by strokes」を開催します。火や炎に魅せられた田中は京都精華大学在学中より燃焼現象を作品化して参りました。幾重にも重ねられた白い紙の層を燃やし、一枚一枚が焼かれ捲れ上がった現象を作品「trans」として発表したのが2008年。以来 廃材を利用した re:trans や 金属やプラスティックを熱で溶変させた meltrans、燃えたつ炎から上る煤を紙に受け止め、その刹那をドローイングとするephemeral… 数々のシリーズを展開してきました(全シリーズはこちらからご覧いただけます https://shingotanaka.net/work-menu/)。 「火」を題材に「火」を使った作品を制作し続けた田中ですが、本展では「火」が物質を消し去る様や その熱が物質に変化をもたらす現象を ペインティングで表現します。筆により描かれるストローク・描かれたものを消すストローク、 それぞれのストロークが作品を進展させてゆく様は まさに「火」の抽象的表現ともいえるでしょう。

Naomi Rowe | eN arts

*Press Release
*CV

STRIDES by strokes

これまで、主に燃焼作用を取り入れた作品制作を行なってきた。燃焼によって物質は焼失し、あるいは溶解しながらその質量を失っていく。私にとって火を用いることは、いわば失われ欠けていく物質とどのように向き合うかを思考する手立てである。

この焼失による制作手法を、絵画における消失へと置き換えることが本作の試みである。

ここで消失の対象となるのは画面上に載せた絵具であり、普段絵を描く上では修正の意味合いが強い「消す」という行為を「描く」ことと同様の所作として考えてみる。手法としては、表面をニスでコーティングしたパネルに油絵具で線を描き、拭き取ることを反復していく。序盤こそ「消す」意識が強い一連の作業は、繰り返し行う中で次第に「消す」行為が「描く」ことを含み始める。おそらく、絵画を思索する意識が、拭うアクションに対しその都度「何を残すか」の判断を迫ってくることが要因なのだが、加えて豊かなストロークの様態も一因となっている。消すことから生まれる、かすれ、にじみ、滴り、溜まり、染み、ぼやけ、汚れ、剥げ、くすみ、濁りはノイズとなり画面に積み重なっていく。ノイズ一つ一つに対して消す前の状態を思い返すことはもはや困難だが、その総体は、次の判断へと影響を及ぼしてくる。

「描く」も「消す」も、絵画を構成する上では等しく一つのストロークであり、そもそも区別する必要はない。それでも私は、存在が失われる過程で生み出されるノイズがどのように視覚に作用するのか見てみたい。

田中 真吾

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-出展作品-

-展示風景-