CONTROL
金光 男 個展
2013年6月1日(土) – 6月30日(日)
会期中 金・土・日 12:00 – 18:00 開廊
オープニングレセプション : 6月1日(土) 18:00 – 20:00
アポイントメント 承ります
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金光男は
日常の風景や目に留まったもの等を切り取るように撮影、その画像のシルクスクリーンを紙、キャンヴァス、パネルなどの支持体にパラフィンを塗ったところに刷り、表面 数ヶ所に熱を加えて溶かしていく、という独自の技法で制作を続けています。加熱によって無造作に溶け流れ落ちるシルクスクリーンのラインはその瞬間からコントロール不可能となり、切り取られた風景や様々な静止画像が作家の手を離れて勝手に動き出すのです。それにより BLACK & WHITEの凛として静謐な画面が掻き乱され、一気に迫力を得、鑑賞者を圧倒します。本展では金光男の最新作を一同に発表致します。
ロウ 直美 | eN arts
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何かを選択し自分をコントロールしていく事。
右足から歩きはじめるのか、左足から歩きはじめるのか、些細なその一歩は事象を
変化させ、良くも悪くも影響を及ぼし合う。
ある時、人を探しに出かけ歩いていると自分の身体が全く言う事を聞かなくなり、倒れてしまった。自分が自分ではなくなった。思っていたよりも簡単にこんな事が起こってしまった。意識があるのに身体のコントロールが利かない、目に写るものがガラスを隔てた様な感覚になる。揺れ動く意識の中で、倒れている自分を客観的に見始める。今倒れている自分は何なのか。この時、身体におこったことが、日々生きている中の僕の状況の様に思えた。歩くこと、電話を掛けること、話をすること。日々生活することは、コントロールを重ねる事だ。しかしその積み重ねの結果は決して思ったものにならない。こうあろうとする自分とはかけ離れた、混乱した不完全な状況に僕はいる。
蝋の上に、シルクスクリーンプリントでイメージを刷る。熱で溶かされた蝋とともにインクから成るイメージは崩れ落ちる。私は溶かすというアクション、コントロールを行っているが、その結果は完全にコントロールはできない。イメージは僕の手から離れ、不完全なものとしてその図像を定着する。溶け流れた蝋とインクは、イメージと物質の間を行き来し曖昧な状態を呈する。溶かす、という私のコントロールが混乱した不完全な状況をつくりだす。そうして出来た、「別のもの」に私はシンパシーを感じる。
金 光男
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-出展作品-
-展示風景-